★ 愛犬チェスの想い出……2017年05月15日 10:19



 チェスは、1966年8月6日に、フィラリアで死んだ。それ以後、感情を共有できる生き物との付き合いを止めた。なんて事はない、巷で言うペットと断絶したことになる。
 チェスが、我が家に訪れたのは、親戚の「ポン太」が、また子供を生み、貰い手がないのでどうか? との連絡による。弟が、自転車で受け取りに行った。利口でありながら自由奔放な性格のオス。親父が作った犬小屋に毛布と共に心地よさそうに…… 夏、小屋では暑いだろうと、これまた親父が、小屋の側の垣根に庇を作った。チェスは、じっと見ていたが、出来上がった途端、その庇の下に入った。庭にいる時や散歩の時は、鎖をしている。散歩の時、自分が興味を持った物には、とにかくムキになって喰らい付いたりした。困ったのは、メス犬と出会った時である。こちらが恥ずかしくほど騒ぎまくったものである。ある日、よたよたと散歩から帰ってきた。見れば、右足の甲の皮が剝がれ、肉が出ている。チェスはしょんぼりと下を向いている。土間に毛布を敷き入れてあげた。家に入れたことはなかったが、おとなしく毛布の上に横になった。赤チンを塗ろうとしたが、歯をむいて拒んだ。自分の舌で舐めている。数日間、同じような状況だったが、ある日、すくっと立ち上がり、小さく鳴いた。ドアを開けると、元気に外に出て行った。ある夏の日、なんだか庭の雰囲気が違う。見れば、チェスが近所のメス犬と交尾をしていた。メス犬の持ち主が、いずれ…… と言っていたのを思い出した。嬉しかった。チェスも喜びを知り、オスとしての勤めを果たしたんだ。
 その日の昼頃、チェスが突然叫び声をあげながら庭を駆け回りだした。見れば、鎖を切っている。家族みんなが、呆気に取られているなか、家に入り込み、玄関に飛び込んだ。チェスは、そこに横たわった。私は、喘いでいるチェスを撫ぜた。家族は電話帳で獣医を調べ電話している。姉と弟は、外に出て獣医が来るのを待った。両親は、ただオロオロしているようだ。私は、頑張れと、体を摩った。チェスは、私を見ている。なんとかして! もうだめです! こんな綺麗な目は見たことがない。生き生きとしていた時には軽々とした感触だったが、摩る手に重さを感じた。悟らざるを得なかった。チェスの目から、輝きがなくなった。何が起こったのかを確信した。だが摩り続けた。
 医者が、「フィラリアです」と言った。多摩にある犬猫霊園に連絡を入れた。後日、霊園に行った。「〇〇家愛犬チェス号の墓」とあった。泣けた……

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