★ 天声人語と『オリンポスの果実』…… ― 2024年05月04日 11:59
>あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか──。わが永遠の青春小説、田中英光の『オリンポスの果実』の有名な巻尾の一文である。切ない初恋の物語は何度読んでも、胸をかきむしられるような気持ちにさせる<
5月1日の『天声人語』の書き出しであるが、これはこの小説に対する筆者の思いであろう。胸をかきむしられる…… とあるが、3人いる天声人語の筆者の平均年齢は、54.3歳。何度も読んだとがあるらしいが、実はこの小説も著者も知らなかった。う~ん…… 読んでみたいな。青空文庫に収められていた。読んだ。残念ながら胸をかきむしられるほどの思いにはならなかった。ただ、日記調で書かれた内容は、出来事に対し微に入り細に入り書かれており現実味を帯びたもので飽きることもなく、入り込むことはできた。筆者は、為替や円安の比較として1930年代の1ドルが3円時代のこの小説を取り上げたのだと思うが、当時の若者の思いを表した青春小説を紹介したかったのではと思った。
著者にも興味が湧いた。Wikiで調べた。小説にあるロス五輪のエイト種目の選手として渡航しており、その船旅を舞台としている。太宰治に憧れ、この小説も監修を受けたようで、当初「杏の実」だったのを太宰が「オリンポスの果実」と改題させたらしい。嫌な予感を持ちながらWikiを読み進んだが、太宰の自殺にショックを受け、本人も太宰の墓前で、睡眠薬を300錠と焼酎1升を飲んだ上で安全カミソリで左手首を切って自殺を図り、36歳で没したとあった。繊細と言うか感受性が強いと言うか…… 小説にも未来を暗示させるような雰囲気が漂っていたように思った。
5月1日の『天声人語』の書き出しであるが、これはこの小説に対する筆者の思いであろう。胸をかきむしられる…… とあるが、3人いる天声人語の筆者の平均年齢は、54.3歳。何度も読んだとがあるらしいが、実はこの小説も著者も知らなかった。う~ん…… 読んでみたいな。青空文庫に収められていた。読んだ。残念ながら胸をかきむしられるほどの思いにはならなかった。ただ、日記調で書かれた内容は、出来事に対し微に入り細に入り書かれており現実味を帯びたもので飽きることもなく、入り込むことはできた。筆者は、為替や円安の比較として1930年代の1ドルが3円時代のこの小説を取り上げたのだと思うが、当時の若者の思いを表した青春小説を紹介したかったのではと思った。
著者にも興味が湧いた。Wikiで調べた。小説にあるロス五輪のエイト種目の選手として渡航しており、その船旅を舞台としている。太宰治に憧れ、この小説も監修を受けたようで、当初「杏の実」だったのを太宰が「オリンポスの果実」と改題させたらしい。嫌な予感を持ちながらWikiを読み進んだが、太宰の自殺にショックを受け、本人も太宰の墓前で、睡眠薬を300錠と焼酎1升を飲んだ上で安全カミソリで左手首を切って自殺を図り、36歳で没したとあった。繊細と言うか感受性が強いと言うか…… 小説にも未来を暗示させるような雰囲気が漂っていたように思った。
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