★ タモリに思う……2014年04月02日 09:12



 3月31日で、「笑っていいとも!」が、31年半の幕を閉じた。これだけの長寿は、ひとえにタモリの人柄、センスの成せる業であり、功績だと言える。そう、好き嫌いはともかく、タモリは、功績との言葉を使うに値する男だと思う。彼とは、ほぼ同年代であり、同じ時代の空気を吸っていたとの感覚がある。さらに、どんなに馬鹿げた芸であっても、いつもどこか醒めたところが感じられ、実に好もしく思っていた。一つの番組、ある意味では、それを会社と言考えれば退職することになる。無遅刻無欠席。驚嘆する。芸の上では、チャランポランなようだが、実に徹底した堅実な真面目人間。柔らかく世の中の流れを吸収し、無理なく自然体で何かを発信する。まさに稀有な存在。
 タモリを知ったのは、四か国語麻雀の放映を見た時。衝撃を受けた。こいつは、何なんだ! その後のタモリは、己を強く主張せず、控え目。だが、その場の主役は、いつもタモリ。政治経済などへの発信はなし。公的不正、理不尽な事件、事故にも言及はなし。あれだけの感性、理性を持っているのである。鋭い意見、感想を持っているはずだが、一切、コメントしない。その醒めた徹底ぶりも、まさにタモリである。8,054回 その最後の今日も、いつもと変わりなく、いや…… いつもよりも明るいなと感じるタモリ。
 思い出した。私事で恐縮だが、30年と1日勤めた会社を自己都合で辞めた日、一輪の花を貰って、会社を後にしたが、涙も何もなかった。やたらと清々しさを感じたことがある。
 最後のテレフォンショッキングは、ビートたけし。お互いを認め合っているであろう二人。心地良い会話。基本的に番組企画・構成はテレビ局の仕事。タモリの意向とのバランスだと思うが、多分、それが壊れたために終わることになったのだろう。そんなこんなで、生放送バラエティー放送回数最多、ギネス記録達成との事。毒も害もない。あるのは、癒しと笑い…… それが、タモリ。
 ところで「笑っていいとも」の終了に伴い、この時間帯の奪い合い……「徹子の部屋」の時間が変わったが、無関係であろうか。フジテレビは、「バイキング」なる新番組をスタートした。初日は、TAKAHIRO君が担当。緊張度合いは想像に難くないが、ノビノビとやっているように見えた。EXILEには興味はなかったが、武井 咲が主役の「戦力外捜査官」を観て、彼の淡々とした演技に、ふ~ん……との感想を持った。この日のMC役も、そこそこ無難にこなしたようだ。好意をもってお疲れ様と言いたい。明日以降、観るかどうかは???
 ま、タモリはタモリ。そう、当分、あの雰囲気は味わえないと覚悟している。フジテレビの社長が、「しっかり充電して、また近い将来……」とかぬかしたらしい。全く判っていない。タモリは、反省もしなければ、充電も必要ないのである。「ただ、今のまま」なのである。なにやら、タケシ、サンマを入れて三大お笑い芸人と呼ぶらしいが、飄々と「嫌味」を感じないのはタモリだけである。(タケシは、場の雰囲気を充分、掴んだうえでのアクションをとれるだと思うが。では、サンマは? ただ継続お喋りに優れていると思うのみ)
 よく、著名人が亡くなると「一つの時代が終わった」との表現をする。タモリは厳然と生きているが、「笑っていいとも」の終了は、まさに「一つの時代が終わった」、いや、判っていない連中が、終わらせたとの思いがある。

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