★ 辰年:多色刷り年賀状2012年01月18日 06:02

 昔の年賀状を整理していたら、はがきサイズが、9x14センチ時代の辰年の年賀状が出てきた。我が手になるものである。
 多色刷りの手ほどきは、亡くなった父から受けた。彼は、毎年、版木を彫り多色刷りの年賀状を出していた。父は、1989年8月に亡くなったが、遺品を整理していた時、翌年の干支である午のまっさらな版木を見つけた時には涙したものである。
 現在は、PC時代。我が家では、私が川柳を作り、カミさんがデザインし、印刷してくれる。総てをPCに頼ることには抵抗があるため、宛名は手書きにしている。数年前、カミさんに、「版画、やれば」と言われ、幾つか作ったが、多色刷りにする根気はなくなっている。
 多色刷りの場合、基本的には使う色毎に版木を彫る。彫りは楽しく、また一回目の刷り合わせの時のドキドキ感は堪らないものがある。ズレなどの調整、配色の変更…… 色の重ね方順に刷っていく。この辰は、多分、赤・黒・黄色・緑・白の順だったと思う。まず、畳の上には赤一色の年賀状が並び、順に姿を現していくことになる……のだが、なんせ神経を使う繰り返しの単純作業…… 途中で飽きてくるのである。こうなるといけない。色ズレ、色ムラなどを起こしてしまう。
 毎年、版画の年賀状をくださる友人が何人かいる。その年賀状を見る度に、「いつまでも続けてくださいね」と笑顔になってしまう。


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