★「天声人語」書き写しノート……秘話2018年01月20日 12:11



 毎朝、「天声人語」を「書き写しノート」に筆写していると以前、何度か書いたことがある。現在58冊目(1冊:31日分)になっている。当初は、鉛筆やボールペンだったのだが、大好きな万年筆にした。実に気持ちが良かったのだが、新たなページを開くと前日分がうっすらと見えるのである。インクの滲みである。我慢して…… いや、これは許せない! 滲んだページの写真を添付し、朝日新聞社教育総合センターにメールを入れた。「朝の清々しい気分が台無しだ。御社には、このノートに万年筆で筆写している社員は居ないのだろう。もし居れば、この不様さに気付くはずだ」 私のクレームが影響したかどうかは判らないが、数か月後のノートから滲みは消えた。
 だが、このノートには、もう一つ欠点があった。大学ノートなどは、ページを開き、指で押さえれば左右のページが平になるが、このノートは山に力を入れても平らにならないのである。新しいノートを使う前には、ページをいろいろと扱いて、ある程度フニャフニャにしなければならいないのだ。大新聞社である。聞く耳など…… と思ったが、一応、電話した。「何とかならないの?」
 1週間ほど前だが「朝日新聞社教育総合本部の〇〇と申します」と女性の声で電話があった。「製本方法に手を加えた改良版ノートの試作品が出来ましたので、使っていただき、是非、ご意見を」との事だった。正直、ビックリした。夕方届けると言う。戸惑いながらOKを出した。会うなり、「インクの件も、貴重なご意見、ありがとうございました。用紙の品質管理が行き届いていませんでした」 今回の件も、大学ノートのような製本方法への変更は、機器類の交換などが必要であり価格アップにつながるため無理であるが、現方法を改善してみた。ノートを手に取って開いてみた。100点は無理だが改善されているようだ。「では、さっそく使ってみます。1、2週間後、〇〇さん宛に感想をメールします」「よろしくお願いします。ご意見を参考に改善し製品化します」
 どうせ大会社だ、聞く耳なんぞ持っていないだろとの己の歪んだ根性を恥ずかしく思った。言うべきと思った事は、とりあえず言った方が良いようだ。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://goeche.asablo.jp/blog/2018/01/20/8773145/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。