★ 「ベートーヴェン」と長谷川千秋……2018年10月07日 14:49

 親父は、クラシック大好き人間で、私はクラシックを聴きながら育った。子供の頃、どの作曲家が好きかと親父に聞いた。バッハも好きだし、モーツァルトもベートーヴェンも…… バロック、古典派、ロマン派、近代へとうんざりするほど作曲家の名前が出てきた。思ったものである。「親父は、クラシックが好きなんだな~……」
 で、本棚で見つけたのが、長谷川千秋(せんしゅう)著「ベートーヴェン」である。




 読んだのは高校生だっただろうか。面白い! 楽聖と崇められるベートーヴェンの生の姿、いやと言うほどの人間味が表されていた。崇高なる「作品」と、その裏にある「生活」とのアンバランス。ますますベートーヴェンが好きになったのを覚えている。
 何故だろう、何十年振りかで、また読みたくなった。本を手に取りパラパラと捲って唖然とした。小さいし薄れてしまった文字。こりゃ判読困難だ。しかし、半世紀ほど前は、読めたらしい。改訂版があるのでは…… ネットで調べたが空振り。度数の強い老眼鏡(3.0)をかけた。かろうじて読める。入り込んだ。だが、しかし…… 旧漢字体が読めない。若い頃は読めたのか? そんなはずは、と思えども追及しても意味はない。「漢語林」を傍らに置き、読み続ける。雑念が湧く。こんな面倒くさい小さい旧漢字の活字を良くも作ったものだ。それを文選して活字を組んだ職人さんにも頭が下がる。
 ロマン・ロランなど、ベートーヴェンを書いた作品は、多いし、研究家も多いようだ。だが、長谷川千秋のこの本は、一読すべきだと思う。是非とも改訂版を出版して欲しいものである。

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